リハビリテーション
下腿骨(脛骨/腓骨)骨折
概要(疫学、症状)
下腿を構成する脛骨・腓骨の骨折です。膝に近い部位では脛骨高原骨折や腓骨頭骨折、脛の中央部では脛骨/腓骨骨幹部骨折などと呼ばれます。症状は強い疼痛とそれによる歩行困難、足先のしびれなどがあります。膝関節に近い部位での骨折では膝関節の曲げ伸ばし運動も困難となります。
原因
交通事故やスポーツ中のケガによるものが多いです。スポーツを日常的に激しく行う場合、疲労により骨折が生じることもあります。
検査・診断
主にX線検査により骨折の有無、および転位の程度が診断されます。程度によってはCT撮影が必要になることもあります。
治療
骨折の転位が少ない場合は、徒手整復やギプス固定での保存的治療が選択されます。転位が大きい場合や整復しても不安定な場合は、転院して手術が必要になることがあります。
薬物療法
抗炎症薬(主にNSAIDs)を用いて、急性期の疼痛による不快を予防します。
リハビリテーション(保存的治療の場合)
最初は骨折部以外を動かすリハビリから始めます。移動は松葉杖を使用した歩行を練習します。X線検査で骨折部の状態を確認しながら、関節可動域練習や段階的な荷重練習を開始します。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
リハビリテーション(手術の場合)
※基本的には手術した病院のプロトコルに準ずる
術後早期から関節可動域練習や筋力強化練習を開始します。最初には移動は車いすを用いる場合もあり、術後2週程度経過後からは荷重練習を開始します。
ADLでの注意点
患部から足先にかけて強く腫れたりむくんだりするので、寝た姿勢や座った姿勢でなるべく足先を高く上げた姿勢を頻繁にとるようにしましょう。