リハビリテーション
前・後十字靭帯損傷
概要(疫学、症状)
強度の高いスポーツを行う世代の方が多く損傷します。受傷直後から膝関節周囲に強い疼痛と腫脹が出ます。加えて、膝関節の安定性が損なわれるため、半月板や軟骨などさらなる膝の損傷につながります。
原因
スポーツ外傷や交通事故などで大きな力が膝に加わった時に、その外力の方向に応じた靭帯を損傷します。膝が曲がりながら内股になるような外力で前十字靭帯が損傷しやすく、脛骨が後方へ移動する外力で後十字靭帯が損傷しやすくなります。
検査・診断
膝関節の前後の動揺性を判別する徒手的な検査に加えて、MRI撮影(他院紹介)を行い診断します。
治療
靭帯が部分的に損傷している場合、早期にギプスやDonJoy装具を用いて安静固定を行います。同時に患部以外の運動療法や移動手段獲得の練習を行います。靭帯が完全に断裂している場合、自然治癒は望めないため、手術による靭帯再建術が推奨されます。
薬物療法
抗炎症薬(主にNSAIDs)を用いた疼痛緩和を行います。
リハビリテーション(非手術(保存)の場合)
受傷後はギプス固定で疼痛緩和や安静にします。その後はサポーターを装着して可動域訓練、筋力強化訓練を行います。受傷初期は疼痛緩和と安静を兼ねてギプス固定を行うこともあります。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
リハビリテーション(手術後紹介の場合)
基本的には手術医師の指示に準じます。装具などを使用して、日常生活の負担を軽減しつつ、同時に膝関節の運動療法を開始することが多いです。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
ADLでの注意点
特に安静期間には転倒などのとっさの動作が生じないよう、移動方法を工夫してください。