リハビリテーション
鎖骨骨折
概要(疫学、症状)
鎖骨骨折は骨折全体の1割を占めるほどの頻度の多い骨折であり、小児にも多い骨折です。肩関節の根元にある骨であり、骨折すると肩関節に運動障害を生じるほか、骨折部の炎症性の疼痛と腕に神経性の疼痛が生じます。
原因
スポーツや交通外傷などにより、肩に強い衝撃を受けた際に受傷しやすいです。
検査・診断
X線検査でほとんどが診断可能です。転位(骨のずれ)がない場合に稀にCT検査が必要となることがあります。
治療
リハビリと薬物療法が実施されます。骨折部の転位が大きく、整復位の保持が困難な方には他院を紹介しての手術治療を推奨します。
薬物療法
抗炎症薬(主にNSAIDs)を用いた疼痛緩和を行います。
リハビリテーション
骨折早期は患部の転位を防ぐための鎖骨バンドによる安静固定が重要です。患部の安定を認める3週経過あたりから、肩関節の後遺症予防のための運動療法を開始します。術後紹介で来られた方のプログラムは基本的に手術病院の指示に準じることになります。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安(非手術の場合)
当院のプログラム(運動・装具等)の目安(手術後紹介の場合)
ADLでの注意点
骨折部が安定するまでは損傷側の手で物を持ったり、腕を高く上げる動作は禁止です。就寝時は損傷側に寝返らないよう注意してください。