リハビリテーション
脊椎圧迫骨折
概要(疫学、症状)
「いつのまにか骨折」ともいわれ、日本人に一番多いとされる骨折です。脊椎の前の椎体という部分が欠けたりつぶれたりします。症状は疼痛が主であり、一度の骨折では外見上の変化はわずかなので気づかないことも多いですが、反復することで徐々に背中が丸くなってきます。
原因
骨粗鬆症により骨の耐久性が落ちている状態で、椎体に負担をかけることが原因です。勢いよく座る、転倒するなどが椎体への負担となります。
検査・診断
主にX線で診断されます。
治療
初期で疼痛の強い時期には薬物療法による鎮痛が主となります。骨折部位が安定してきて疼痛が緩和したら、リハビリによる身体機能の向上を図かり、再骨折を予防します。
薬物療法
鎮痛薬を用いた疼痛緩和を行います。
リハビリテーション
脊柱に負担をかけている原因を骨格・生活習慣などから探索し、それらの改善を図ります。身体能力の落ちている方も多いので、全身運動も行います。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
ADLでの注意点
椅子や床に座る際は、身体に衝撃がかからないようゆっくり座るよう心がけましょう。座っているときなど、背中が丸くなっていると椎体に負担がかかるので、背すじを伸ばすよう心がけましょう。
Q&A
- Q.
- 丸くなった背中は戻りますか?
- A.
- 戻すのは難しいです。変形を矯正するには手術が必要となりますが、圧迫骨折をされた方は椎体が脆くなっている場合が多く手術が困難です。しかしながら、治療において重要なのは変形の矯正ではなく、再骨折予防や生活の質の確保なので、それを目標にリハビリ治療を続けるとよいです。