リハビリテーション
手根管症候群
概要(疫学、症状)
40代以降の女性に多く、まれに妊娠・出産期の女性にも生じます。症状は親指~薬指にかけての掌側のしびれに始まり、進行すると親指の運動麻痺を生じます。
原因
腕から掌に向かう正中神経が手首の手根管という組織のところで圧迫されて起こります。原因は不明ですが、ホルモンの影響や手の使い過ぎなどの過負荷、手首の骨折などが要因となります。
検査・診断
当院では手首の骨状態の確認のためにX線検査を行いますが、正確な診断のためにはMRI検査や神経電動速度検査が可能な病院での再検査が必要となります。
治療
ほとんどの方が薬物療法とリハビリテーションで保存的に治療されます。掌の筋肉の重度な萎縮を認めた場合、他院での手術を薦めることもあります。
薬物療法
不快感の緩和のための消炎鎮痛剤や、神経栄養のためのビタミンB12などが処方されます。
リハビリテーション
現在までのところ、運動療法が手根管症候群を改善させる有効性は明確に示されていません。夜間用の装具を作製し装着すること及び、正中神経へのストレッチは有効性が報告されています。利き手に運動麻痺などの症状がみられる場合には利き手交換練習などを行うこともあります。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
ADLでの注意点
手関節や手指への持続的・長時間の負荷は症状の増悪を招きます。調理や掃除など日常でよく行う動作で、長時間作業を続けていないか注意してください。