リハビリテーション
橈骨(尺骨)遠位端骨折
概要(疫学、症状)
前腕の骨が手首のところで折れた骨折です。前腕には2本の骨があり、折れた部位により橈骨遠位端骨折や尺骨遠位端(主に茎状突起)骨折と診断されます。骨折後は手関節から手指にかけて強く腫れて痛みが生じ、手関節や手指が動かしづらくなります。
原因
男性では交通事故、女性では歩行中の転倒による受傷が多いです。年齢や骨粗鬆症は危険因子となります。
検査・診断
主にX線検査により骨折の有無、および転位による変形の程度が診断されます。
治療
骨折の70-90%は保存的(手術必要なし)に治療されます。転位が大きく変形による後遺症が重度と判断される場合には手術療法が必要となります。保存的治療では患部の固定による骨折部の保護を数週間行った後、後遺症となりやすい手関節・手指の拘縮(動かしづらい状態)の予防のため、運動療法のリハビリを行います。
薬物療法
抗炎症薬(主にNSAIDs)を用いて、急性期の疼痛による不快を予防します。
リハビリテーション
受傷から3か月程度を目安に実施します。固定に始まり、骨癒合状態に応じて手指・手関節の運動療法を行い、握力の回復及び、日常生活での不便さが解消された時点での終了を目指します。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
ADLでの注意点
受傷早期から生活で受傷手を使っていると、骨折がずれてしまうことがあります。特に受傷から3週間は受傷手を使わず、安静を中心とした生活を心がけてください。