リハビリテーション
野球肩
概要(疫学、症状)
投球などの動作がきっかけとなり発症する肩関節障害の総称です。10歳以降の野球などのスポーツを強い強度で行う方に多くみられます。主に動作中の疼痛が生じます。
原因
肩関節の組織への持続的な負担による微細損傷・摩耗であり、損傷部位は腱・腱板、関節包、関節唇、靭帯など多岐にわたります。特に成長期は骨や腱・靭帯の強度が未成熟であるにもかかわらず、部活動などにより運動強度が上がるため発症しやすくなります。
検査・診断
当院ではX線、超音波エコー、症状から複合的に判断して診断致します。骨端線離開などのリスクの高い症状が疑われる場合には他院でのMRI検査を追加致します。
治療
薬物療法及びリハビリが実施されます。靭帯、関節軟骨などの重度な損傷を認めた場合、他院での手術を推奨する場合もあります。
薬物療法
抗炎症薬(主にNSAIDs)を用いた疼痛緩和を行います。
リハビリテーション
肩関節の組織を損傷した原因を骨格・スポーツ動作から探索し、それらの改善を図ります。また、拘縮(組織が硬くなること)が生じて動かしづらくなった肩関節の可動域の改善を図ります。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
ADLでの注意点
肩関節は腕を勢いよく/素早く動かした時に負担が大きくなります。痛みのある時期は再損傷のリスクが高まっているため、そのような動作は避けましょう。また、スポーツの前は特に入念に準備運動をする必要があります。