リハビリテーション
前腕骨(橈骨/尺骨)骨折
概要(疫学、症状)
前腕を構成する橈骨や尺骨の骨折です。前腕の中央部では橈骨/尺骨骨幹部骨折などと呼ばれます。片方のみ折れる場合や両方とも折れる場合もあります。症状は前腕の強い腫れと疼痛、手先の脱力などが生じます。
原因
交通事故やスポーツ中の転倒によるものが多いです。
検査・診断
主にX線検査により骨折の有無、および転位の程度が診断されます。程度によってはCT撮影が必要になることもあります。
治療
骨折の転位が少ない場合は、徒手整復やギプス固定での保存的治療が選択されます。転位が大きい場合や整復しても不安定な場合は、転院して手術が必要になることがあります。
薬物療法
抗炎症薬(主にNSAIDs)を用いて、急性期の疼痛による不快を予防します。
リハビリテーション(保存的治療の場合)
患部の転位を防ぐために前腕をしっかりと固定します。骨癒合状態に応じて前腕・手・肘関節の運動療法を行い、握力の回復及び、日常生活での不便さが解消された時点での終了を目指します。
当院のプログラム(運動・装具等)の目安
リハビリテーション(手術の場合)
※基本的には手術した病院のプロトコルに準ずる
術後早期から関節可動域練習や筋力強化練習を開始します。骨癒合状態に応じて前腕・手・肘関節の運動療法を行い、握力の回復及び、日常生活での不便さが解消された時点での終了を目指します。
ADLでの注意点
患部から手先にかけて強く腫れたりむくんだりするので、なるべく手先が心臓よりも高い位置になる姿勢でいる時間を長くしてください。